同志社大学 2025 ALL DOSHISHA 募金

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 「同志社大学 2025 ALL DOSHISHA 募金」におきましては、8年半もの長期に亘り、卒業生や在学生、保護者等延べ36,000名、法人・団体660社を超える皆様から、累計27億円を超える浄財をお寄せいただきました。まずもって、同志社大学を代表し、心より深い感謝と敬意を表します。

 これほど多くの方々が本学の歩みに心を寄せ、未来に託してくださった事実は、同志社が150年にわたり大切に育んできた精神が、今なお生きていることの何よりの証であります。創立者・新島襄は、私立大学を「人民の手によって立てられるもの」と考え、自らの志を広く社会と分かち合いました。本募金は、その新島の精神を現代において体現する営みであり、寄付者お一人おひとりが、同志社の歴史と未来を共に担う「同志」であることを改めて実感させてくれるものでした。

 本募金事業は、創立150周年を見据えて掲げた「同志社大学VISION2025」の実現を目的として推進してまいりました。VISION2025は、教育・研究・学生支援・国際化・社会連携・ブランド形成など、本学が進むべき行路を示す羅針盤としての役割を果たしてきました。皆様からのご支援により、課題解決型教育やインターンシップ科目の充実、正課外活動や奨学金制度の拡充、文理融合による研究の推進、キャンパス環境の整備、国際的な教育拠点の拡張、そして卒業生との絆を深める諸活動が着実に前進しました。

 特に印象的なのは、こうした取り組みの一つひとつが、単なる制度や施設の充実にとどまらず、学生一人ひとりの「経験」として結実している点です。本学で学ぶ学生たちは、多様な他者と出会い、自ら問いを立て、悩み、考え、挑戦する中で成長しています。それは、新島が理想とした「自治自立」の人物像へとつながる道であり、皆様からのご支援がその学びの土壌を豊かに耕す力となりました。

 新島は、大学のあるべき姿を「深山大沢」という言葉で表現しました。様々な個性を生かし育む、多様性と驚きに満ちた場所であり、また、未知の世界へのゲートウェイともなる場所――それが新島の描いた大学の理想です。VISION2025のもとで進めてきた諸事業は、まさに現代における「深山大沢」を築く試みであり、寄付者の皆様は、その形成を支える重要な担い手でした。

 本募金事業は一つの区切りを迎えましたが、これは決して終着点ではありません。むしろ、150周年を超えて、これから何をなすべきかが問われています。新島が投げかけた理想や課題は、今なお未完の課題として、私たちの前にあります。これからの社会は、分断や不確実性を一層深めていくでしょう。その中で大学に求められるのは、単なる知識の伝達ではなく、人と人とを結び、共に考え、共に未来を切り拓く力を育むことです。

 同志社大学はこのたび、新たなビジョン、「共に知る、共に変わる ― With a Good Conscience」を策定しました。今後もこのビジョンのもと、良心に基づく学びと実践を通じて社会に貢献してまいります。寄付者の皆様と「共に知り」、その知をもって「共に変わっていく」大学であり続けることこそ、本募金に託された願いであると、私たちは受け止めています。

 これからも同志社大学の歩みに、変わらぬご理解とご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

2026年4月

同志社大学 学長
小原 克博